秋休み

今年の夏休みは遠出がむずかしいので2回にわけてとることに。そして、2回とも、北東北への湯治旅の予定。今回は、紅葉狩りを楽しむ計画である。

10月19日(水):10時過ぎに自宅を出発し、途中、道の駅なかせん(ドンパン節の里)で夕食の食材を調達。そして紅葉名所の抱返り渓谷へ(仙北市田沢湖の南東)。紅葉祭りも始まり観光客でにぎわっていたが、紅葉を楽しむには大分フライングな印象。それでも、歩くには心地よい季節であり、渓谷沿いを回顧の滝まで散策。お昼は田沢湖町で釜飯を食し、スーパーで残りの食材を買い出し、今宵の宿乳頭温泉黒湯へ。乳頭温泉は紅葉最盛期であり、その美しさに息をのむ。気分も高揚し、鶴の湯までハイキングがてらと散策開始。秋晴れと紅葉のもと、孫六温泉を通り、大釜温泉へ。

ここからの林道は少し荒れていたので、蟹場温泉で至福の温泉浴を満喫し、引き返す。
黒湯温泉の湯治棟でのんびりした時間をすごす。満点の夜空を眺めながらの露天風呂は極楽そのもの。夜は比内地鶏のなべを食す。


10月20日(木):天気予報は快晴。8時頃に黒湯温泉を出発し、十和田湖へ。発荷峠展望台で十和田湖の紅葉を一望し、奥入瀬渓流へ。子の口から渓流沿いを2時間ほどくだる。紅葉は2割ほどであったが、雲井の滝までの散策を楽しむ。帰りは、バスで子の口までもどる。

今宵の宿は黒湯温泉飯塚旅館。黒石駅近くの洋菓子店ローリエでアップルパイ、スーパーでばら焼きの具材と黒石焼きそばを購入。今夜もご当地グルメの自炊晩餐となる。目の前の共同浴場(鶴の湯)や内風呂で心ゆくまで湯治。


10月21日(金):朝起きると秋晴れ。青空、岩木山、リンゴ畑、紅葉。


岩木スカイラインで八合目までいき、お気軽登山を楽しむ。岩木山頂上からの眺めは素晴らしく、八甲田山津軽平野日本海、八幡平、早池峰など、360度パノラマ絶景を堪能する。

かえりに弘前に立ち寄り津軽工芸にふれる。百石町展示館で開催されている津軽伝統工芸クラフト展示会で、津軽塗、こぎん刺、津軽打刃物、木工を鑑賞し、若手工芸家economieメンバーの花田昌子さん作のきれいの津軽塗箸をいただく。展示館内で洋食のランチをいただき、ブナコショールームを見学し、今宵の宿碇ヶ関古遠部温泉へ。蕩々と湧き出る温まりの湯でのんびり一晩を過ごす。風呂場に寝転びあふれ出る温泉水に体を浸す癒し浴をしている地元の湯治客をうらやみながら、短湯を楽しむ。


10月22日(土):あいにくの雨。念願の小坂町を訪れる。明治時代、鉱山都市として栄えた町。私の曾祖父も技術者として100年前にこの場所で奮闘した姿を思い感慨深い気持ちになる。

旅行も残り1日。帰宅にむけて南下を開始。花巻の宮沢賢治記念館に立ち寄る。賢治の生まれた前年の明治29年に明治三陸地震があり、地震津波の不幸に悲しむ人を目の当たりにして育ったことを知る。地元をイーハトブと呼び、文学、演劇、音楽、語学、宗教、科学、環境、農業にまことの精神を注いだ、宮沢賢治の豊かな感性にあらため感心する。山猫食堂でランチをし、近くのスーパーで夕食の買い出しを行い、今宵の宿大沢温泉湯治部へ。想像以上の活気に圧倒されるも、湯巡りや自炊など、湯治旅最後の夜を楽しむ。


10月23日(日):鍋越峠からのルートで紅葉を楽しみながら尾花沢に抜け、鶴子そばでランチをし帰宅。北上の料亭大安楼は日曜日はお休みであり、次回に期待とする。